妊婦の歯の治療

妊婦が歯医者の治療を安定期にやるべきざまざまな理由

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妊婦と食べ物の栄養

この度はご懐妊おめでとうございます。
嬉しいことも戸惑うことも多々あるかと思います。
お仕事、家族、家事、食生活や衣類、など考えなくてはいけないことは山のようにあると思います。

そこで一つ、お口の事もご自身のためと、生まれてくるお子さんのためにも知っておいていただきたいことがあります。

「子どもを一人産むと、歯を1本失う」これは本当なのでしょうか?いいえ、そんなことはありません。

ただし、気をつけなければいけないことは確かです。妊娠を機にお腹の赤ちゃんのことを考えて歯の治療に抵抗を感じる方もいますし、治療途中の歯があってもそのままにしておく方もいるようです。

歯についても正しい知識をもってご自身にもお腹の赤ちゃんにも大切な時期を過ごしてほしいと思います。

妊娠中の歯の治療で気をつけるべきことと知識

「子どもを一人産むと、歯を1本失う」は本当か?

これはまことしやかに言われますが、実際は歯を失いやすい環境になりやすいだけです。

妊娠・出産・育児と身体の変化と環境の変化は大きいものです。妊娠から新生児が1歳になるまでの約2年間 を考えてみましょう。

妊娠直後はつわりで栄養が偏ることで、免疫力が落ちます。免疫力の低下は歯周病を起こしやすくします。甘いものやアイスなどなら食べられるという妊婦さんも多いのですが、虫歯になりやすい環境を自ら作っています。砂糖で虫歯を増やし、アイスで腸を冷やして大切な腸管免疫を自ら破壊しています。歯ブラシもつわりで難しくなる場合が多いでしょう。年齢的にも30台半ばは歯周炎(骨を失う歯周病)の発症が増えてくる時期にも重なります。

出産を経ると、今度は育児が待っています。お腹にいた時と違って自分ひとりではありません。母親にとって育児は24時間労働です。寝ていても起こされて授乳があり、睡眠や食事もままならないのに、とても自分のケアを今までと同じようにはできないでしょう。

約2年でこれだけの事が起きる中で口内を今まで通りケアすることは中々難しいでしょう。

そして、虫歯が放置され、歯周病は進行します。これが「子どもを一人産むと、歯を1本失う」につながるのではないでしょうか。

妊娠から数年はケアが難しくなることは間違いなく、安定期の間にできる事は、虫歯や歯周病を治すこと、親知らずが問題を起こしそうなら抜歯するなどが最優先となります。

妊娠中に歯の治療はできるか?

妊娠中の歯の治療は可能です。ただし条件があります。

基本的に安定期に治療を行います。安定期は必要最低限の歯科用X線、歯科用麻酔、抗生物質、痛み止めなどの内服は問題ありません。

安定期に至るまでの4か月と臨月は積極的な治療はしません。安定期に至るまでは、赤ちゃんの大事な部分が形成される時期で、薬も胎盤を通過することから応急処置のみを行います。臨月近くは母親の体調が変わる可能性もあります。(切迫早産など)

妊娠中は不要不急の治療をあえて行う事はありませんが、治療を行う事で母子により良い結果をもたらすのであれば治療は行いますし、その方をお勧めします。

安定期に入ったら速やかに必要な歯の治療や検診を受ける事をお勧めします。治療が必要な場合には、おおよその通院の回数と期間を確認しましょう。その医院でアポイントが確保できるのか?間に合わない場合はどのような対応をしてもらえるのか?などの確認が必要です。

自分の歯だけではなく、これから生まれてくる子どものためにもしっかりと考えて行動に移して欲しいと思います。

歯の治療は出産後ではダメなのか?

妊娠中はお腹の子供への影響が心配だから、出産後ではダメなのか?という質問を受けます。

結論から言いましょう。出産後は通院ができる余裕はないと思います。母親自身の体の回復もありますが、育児は24時間労働です。授乳も夜泣き、急な発熱など、とても今まで通り自分のことができる状況とは言い難いのではないでしょうか。

出産後に定期検診や治療を再開される方は早くてもほぼ1年を要しています。

妊娠中に歯の治療をしておいた方が良い理由

では、出産前に歯の治療をするメリットはあるのでしょうか?

虫歯や親知らずで常に痛みのストレスを抱えている状況はお腹の赤ちゃんにとっていいことはありませんし、歯の痛みや歯茎が腫れて耐えられなくなった時に安定期や臨月で治療を受けられないとしたら、困りますよね。

生まれたらどこかに預けないと通院できません。または保育士がいる歯科医院を探しておくかです。それでも新生児で直ぐに治療は無理ですし、その歯科医院がマッチしているとは限りませんよね。

そして歯周病は早産や低出産児への影響があると報告されています。

現在は30代の出産は当たり前、40代での出産も珍しくありません。20代なら大丈夫というわけではありませんが、歯周病が進行するリスクは年齢とともに高くなることも事実です。歯周病の予防と治療は妊娠、出産、子どもの健康につながっているとも言えるのです。

妊娠中だからと言って治療をやめてしまうリスクはあるのか?

虫歯治療

虫歯治療は途中で止めてはいけません。特に虫歯を削ったむき出しの歯質は虫歯が進みやすく、神経のない歯の場合は根が腐ってしまい抜歯に至ることもあります。また根の中にばい菌が侵入することで根の先に炎症を起こし、膿が溜まります。

隣り合った歯や噛みあう相手の歯が移動してしまい、治療を再開しようと思っても歯が入る隙間がなくなっていることもあります。間に合わない場合は仮の詰め物でもしっかりとしておくようにしましょう。

歯周病の治療

歯周病の治療は段階があります。通常は歯茎の上の歯垢歯石を取ること、続いて歯茎の中に隠れた歯根の表面にこびりついた歯垢歯石を取ることです。

歯茎の上だけ取って見た目がきれいな状態になっても、歯茎の中では毒が出し続けられ、歯を支える歯根膜や骨が破壊されていきます。

妊娠性歯肉炎という病気があります。

妊娠でホルモンバランスが変わり、今までよりも容易に歯肉が腫れるようになります。治療は通常の歯垢歯石を取ることで改善しますが、放置することで骨を失う歯周炎に移行しやすくなります。

親知らずの抜歯

親知らずは20歳前後から30歳ごろまでの間に問題を起こす場合が多いです。生えてくる時に周りの歯茎に炎症を起こすためです。このため、妊娠中の歯科治療では親知らずの抜歯がよく言われます。抜いたほうが良いかどうかはかかりつけ医と相談しましょう。

また、親知らずの抜歯をかかりつけの歯医者さんで行った場合は続けて治り具合を診ることができますが、大学病院などで抜歯した場合はその限りではありません。親知らずを抜いたところは順調に治っても、その手前の歯に歯垢や歯石が付いたままではせっかく親知らずを抜いても歯周病が残ってしまいます。親知らずを抜いた場合は、必ずかかりつけ医で手前の歯に歯垢や歯石が付いていないか、歯茎が健康に治ってきているかのチェックを受けましょう。

矯正治療

すでに矯正治療を始めている場合は、そのまま継続して構いません。ただし、歯周病に書きましたように妊娠中はホルモンバランスが崩れ、免疫力も落ちやすく、妊娠性の歯肉炎になりやすい状態です。矯正装置が付いている場合はさらに磨きにくい状況です。つわりや体調の変化が大変だと思いますが、ブラッシングなどのセルフケアに励みましょう。

これから矯正を始めようとしている場合は矯正の先生とよく相談しましょう。通常、通院は月に1回ですし、ブラッシングができれば何かお腹のお子さんに問題になることはありません。ただ、つわりの程度や妊娠自体が順調に推移するかは誰も分からないものです。妊娠期間中ずっとつわりの場合もありますし、急な入院になる場合もあります。一般的には出産後、お子さんが落ち着かれてから始める方が良いかと思います。

セラミック治療

セラミック治療は虫歯治療と同じです。セラミックを被せる、付けるために歯を切削しています。仮歯が入っているとは思いますが、仮歯はあくまで仮止めです。時間と共に仮の接着剤は溶けだしていき、唾液や歯垢が侵入してきます。仮歯が外れなくとも、内部で歯が傷んでいってしまうのです。セラミック治療は麻酔こそ使うかもしれませんが、大きな負担はない治療です。安定期に済ませておくべきだと考えます。どうしても通院できない場合は、担当の先生と相談して仮歯をしっかりと止めてもらいましょう。

根の治療

根の治療も終えておきたい治療ですが、根の治療が終わってからクラウンなどのセラミック治療になりますので時間がかかることも事実です。根の消毒の待ち時間が数か月に及び、安定期内に終わらない場合も出てきます。この場合は、6か月以上消毒期間が継続する水酸化カルシウムというペースト状の薬を入れて、硬い樹脂製の仮歯にしておきます。

ただし、保険診療で1回15分程度の治療を数か月にわたって続く場合はこの限りではありません。それでは何も治療が進まないまま貴重な安定期が終わってしまいます。

定期検診(メインテナンスクリーニング)

母子手帳をもらうと、歯科検診のページがあると思います。歯に問題がないと思っている方でも必ず歯科を受診してチェックアップは受けましょう。

そして、自分では取り切れない歯垢歯石があると思います。病的でなくとも、これから2年弱は自分の生活がままならない可能性を考えてプロのクリーニングを受けることをお勧めします。妊婦さんだけでなく、虫歯や痛みがなくても1年に3~4回のメインテナンスが望ましいと考えられています。

妊娠した時の歯の治療まとめと歯医者からのアドバイス

歯の治療は緊張もしますし怖いかもしれません。治療自体がお腹の赤ちゃんにいい影響を与えるとは言いにくいですが、歯が痛くてお母さんがストレスを抱えて眠れないのはもっとよくないでしょう。

また、口内が歯周病に感染していていれば、歯周病の細菌は血液に乗って体中を駆け巡ります。母乳はいわば白い血液。歯周病菌が直接流れないにしてもカラダの一部で炎症があって毎日膿が出ているとしたら、前述したような低出産児や早産の引き金を作り出していることにもなります。日ごろのケアが行き届いていないと感じたら、ぜひこのタイミングでお口の中も見直しましょう。

妊娠と歯の関係に関するQ&A

Q1.「子どもにカルシウムを取られる」のは本当ですか?またサプリメントや牛乳を飲むべきですか?

A1.カルシウムは骨にほとんどが存在しており、体内のカルシウム濃度はホルモンで厳密に管理されています。歯を支える歯槽骨が溶けるのは歯周病に感染するからで、歯のカルシウムが胎児に行くことはありません。カルシウムが不足している時は必ずマグネシウムと一緒に摂りましょう。牛乳やカルシウムのみを摂ることは骨粗鬆症や心臓発作を増やすことが分かっています。

Q2歯周病の治療やクリーニング以外に子供のためにできることはありますか?

A2.口内をより良い状態にするには虫歯菌や歯周病菌を減らす、弱らせることが可能です。虫歯菌を弱らせるにはキシリトールを毎日少しづつ摂ること、歯周病菌を減らすには歯周病菌に特化した乳酸菌を摂取するのがお勧めです。

Q3つわりで食べられるものが偏っています。歯周病予防にも免疫力を高めるにはどうしたらいいですか?

A3.つわりの強弱にはビタミンB群が影響している事が分かっています。タンパク質、糖質を確保しながら取りにくいものはサプリメントで補うのも一つです。

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